日本においても血糖値に異常のある方が増えています。
これは主に、体重の増加と運動不足が原因と考えられています(因みに、我が国における糖尿病の患者数は、自家用車の普及率と比例して増えているという統計データもあります)。
糖尿病をお持ちなのに体重が徐々に増えて、それに伴い血糖コントロールが悪くなる患者さん方はよくこのように仰います。
「運動不足だから。運動するよう心がけます。」
はい、できるのであればぜひ運動してください。
でも、きちんと仕事をしたり日常生活を送りながら、コンスタントに運動できる方って、果たしてどれだけいらっしゃるのでしょう?
なかなか困難で、まず長続きしないことのはずです。
ですから、食事管理が重要なのです。
糖尿病には2種類あり、一つは血糖を下げるインスリンが膵臓から十分に分泌されないもの。もう一つはインスリンは分泌されているけれど(むしろ通常より多く)、その効きが不十分であるもので、臨床の現場では圧倒的に後者が多いのです。
肥満だったりするせいで、分泌されているインスリンが十分に効果を発揮できないという状態です。
いぜんと比べて、糖尿病の治療薬にもバリエーションが増えました。
患者さんごとに、その病態に合わせて治療してゆくことが可能になってきています。
なお、よく患者さんに言われることとして、「薬飲み始めたら一生飲まなきゃいけないんでしょ?だから飲みたくない。」というものがあります。
これは大きな誤解です。
最初、あまりに悪くてインスリン注射開始し、その後の改善に合わせてインスリン中止して経口剤、更にそれすら止めてよくなり、現在では経過観察のみという患者さんも何人もいらっしゃいます。
何かを変えなければ薬を止めることもほぼ不可能ですが、いろいろなことを見直して改善してゆくことで、服薬から解放されることは十分にあり得るのことなのです。
そしてこれは、血圧やコレステロールの場合でも同様なのです。