日頃よくお聞きになる病名だと思いますが、これは病名というより様々な病気によって引き起こされた結果としての状態です。
以前、外来に「めまい」を訴えられてみえた方がありました。
通常「めまい」であれば耳や脳血管の疾患をまず考えますが、この方は診察で目をみたところ真っ白で、著明な貧血があることがわかりました。
すなわち、この方の「めまい」は貧血によってふらふらすることの表現だった訳です。
女性の場合、健康診断で貧血を指摘されることは希ではないと思いますが、男性の場合(特に60歳第台までは)、貧血は普通ないものと考えて構いません。
言い方を変えれば、我々が男性の貧血を見た場合、まずは胃や大腸からの少量ずつ持続する出血を疑うのです。
その原因疾患として胃癌や大腸癌があります。
ですから、健診などで貧血の指摘を受けたような場合には、やはりしっかり検査すべきであると考えます。