早期胃癌と進行癌に分かれます。
特に早期胃癌ではそれによる症状はないものと思っていただいて構いません。
進行胃癌になった場合でも、癌ができた場所によって症状が出たり、あるいは全く無症状であったりします。
例えば、胃の入り口(噴門)や出口(幽門)は胃の他の部位よりも細いので、腫瘍ができると通過傷害が起き、「吐いてしまう」ということになります。
しかし、同じ大きさの腫瘍が胃の真ん中辺りにできた場合には、通過傷害を起こすこともなく、癌は無症状のまま更に進行することになります。
その場合、肝臓などへ転移を起こし、根治的な治療は不可能になってしまいます。
逆に癌が早期であって、粘膜もしくは粘膜の下にほんの少し浸潤している程度であれば、開腹せずに内視鏡を用いての切除が可能です。
現在、胃癌の内視鏡手術としては、EMR(内視鏡的粘膜切除術)と、より広範な病変の治療に用いられるESD(内視鏡的粘膜剥離術)があり、それぞれの病変に応じて方法が選択されています。
なお、ほとんどの胃がんはピロリ菌が関与しています。
ピロリ菌陽性で胃粘膜の萎縮がある場合は、特に高リスクです。
『胃潰瘍・十二指腸潰瘍』の項目にあるピロリ菌にかんする記載をご参照ください。
時々、健康診断でバリウム検査や内視鏡を行わずに、『ペプシノーゲン検査』を選択できるケースがあるようです。
「ペプシノーゲン検査」わかるのは、胃粘膜に萎縮があるかどうかということだけです。
萎縮がある粘膜には胃がんが発生しやすいのですが、問題はペプシノーゲン検査で陽性(胃粘膜の萎縮があるということです)であるにも拘わらず、その後も毎年ペプシノーゲン検査で済ましてしまっているケースが散見されるということです。
正直、何の意味もありません。 こうしたことを申し出ない健診会社は不誠実だと考えていいと思います。